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歯科の歴史

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わが国における医療制度としての歯科は、701年の大宝律令の医疾令で「耳目口歯科」として確立されたことに始まります。それが室町時代初期には「口歯咽喉科」、室町時代末期から安土桃山時代には「口歯科」となり、それが室町時代末期から江戸時代にかけて、入れ歯だけを専門的に作る「口中入れ歯師」と医学全般を修得した上で抜歯や口中の治療を行う「口中医」に分かれたのです。1874年(明治7年)には、明治政府によって東京・京都・大阪の三府で「医術開業試験」が実施されましたが、「歯科」という名称ではなく「口中科」の一専門医として位置付けられていました。1875年(明治8年)4月には、わが国初の「歯科専門」の医術開業試験が行われ、小幡英之助が合格者第一号になりましたが、当時は歯科医師という身分は法令上になく、歯科医術として登録されたのは同年10月のことです。戦前においては、歯学教育は医科大学では6年制でしたが専門学校においては4年ないしは5年制で行われていましたが、第二次世界大戦後の1946に行われた学制改革で、専門学校は新制の歯科大学として医科大学と同じ6年制になりました。今日までの歯科としての治療は、患者を対象とした「心身全般の疾病の治療」である一般医療とはやや異質であり、「機器・器材による歯および歯周辺組織の疾病の治療」とみられてきたという側面があると言われます。しかし近年、急激な高齢化の進行と医療に関する研究の進歩によって口腔と全身の関係性の大きさが注目されてきました。そのことで、現在の歯科医療は、「機器・器材による歯および歯周辺組織の疾病の治療」にとどまらず、幅広い口腔領域における疾患を対象とする歯科医療へと変化しています。

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